私達は膝サポーターを使って後十字靭帯損傷の治療をしています。
市販の膝サポーターを機能別に、固定用、再発防止用、予防用、保護用に分類して使い分けると、効果的に後十字靭帯損傷の症状を治すことができます。
- 急性期や不安がある時は患側に固定用を使います。
- 回復後は患側に再発防止用、健側に予防用を使ってバランスをとります。
- 安静を保てる時は両膝に保護用を使います。
強度が足りない場合は、膝サポーターの下に補強テープを貼ります。フィット感がそのままで固定強度を上げることができます。膝崩れの不安がなくなり、後十字靭帯に負担がかからない動きが自然に身につきます。
鍼灸師・柔道整復師 吉池 加奈
ACL、PCL断裂再建手術後の補強テープ使用例
固定用の膝サポーター
負傷時や不安感が強い時に患側の膝に使います。健側の膝には予防用の膝サポーターを使って左右のバランスを整えます。運動域を固定してしまう装具と違い、自然な両脚の動きが再現されるので、膝の血腫の引きが早くなります。筋線維が細くなることや、膝崩れの恐怖から脳が緊張して運動バランスが崩れることが防げます。
シッカリしたサポーターの組み合わせです。負傷直後で血腫がある時や手術後の不安定な時期におすすめです。保護動作が原因の膝の運動や腫れを改善します。
動きやすいサポーターの組み合わせです。手術後のスポーツ復帰や動くことが多い時におすすめです。膝の自然が動きが習慣となり再断裂や再負傷を防ぎます。
サポーターの下に補強テープを貼ると膝の運動軌道を安定させることができます。補強テープは《固定用》膝サポーターの補強ベルトをまねて貼ります。膝軽度屈曲位で補強テープを10%程度伸ばして貼ります。強度は枚数で調整してください。
再発防止用の膝サポーター
膝の炎症が治まり出したころに患側の膝に使います。健側の膝には予防用の膝サポーターを使って荷重バランスを整えます。男性の場合は股関節と足関節の動きが悪いため後十字靭帯を損傷することが多いので、股関節、膝、足首の運動連鎖が整い後十字靭帯の再損傷を防ぐことができます。女性の場合は、ホルモンバランスから靭帯が弱くなる期間があるので、左右の荷重を整えることで逆膝の後十字靭帯損傷を防ぐことができます。
動きやすいサポーターの組み合わせです。手術後のスポーツ復帰や動くことが多い時におすすめです。膝の自然が動きが習慣となり再断裂や再負傷を防ぎます。
シッカリしたサポーターの組み合わせです。腫れや熱感があり動き過ぎると痛みが悪化する時期におすすめです。後十字靭帯に負担がかかるニーインの習慣を防ぎます。
保護用の膝サポーター
膝関節は体の中でも体温が低くケガをすると治りにくい部分です。膝を保温することで、膝の血液循環が改善され自然治癒力が高まります。使用する保護用のサポーターは1~2サイズ大きめを使うことが回復のコツです。
質の良い保温用のサポーターです。膝を保温することで血液循環を改善して 治りやすい環境を作ります。 サポーターは両膝に使います。
クラッチ杖
歩くことができても両手にクラッチ杖を使うと後十字靭帯損傷の回復が早まります。血腫や筋線維の萎縮を防ぐことができます。
小柄な女性にちょうどいいサイズです。 両手に使うことで膝にかかる負担を軽減して膝関節外傷の回復を助けます。後十字靭帯に負担がかかるニーインの習慣を無くします。
軽量で使いやすいクラッチ杖で、重心バランスを整えるのに最適です。両手に使うことで膝にかかる負担を軽減して膝関節外傷の回復を助けます。後十字靭帯に負担がかかるニーインの習慣を無くします。
グリップが太いので自重をかけることができます。膝にかかる自重を減らせるので後十字靭帯損傷に併発した半月板、軟骨損傷の悪化を防いで運動機能の回復を助けます。
お薬と温浴剤
膝サポーターと相性の良い消炎鎮痛剤です。患部にフタをするので、薬効が長時間持続します。膝サポーター装着前に、膝に塗擦すると効果的です。
オウバク、サンシン、アルニカの3種の生薬を配合した消炎鎮痛剤です。うちみ、ねんざ、筋肉痛などの痛みをやわらげます。
薬用オンセンスを使って半身浴をすることで、膝の筋肉の緊張がゆるみます。神経痛、冷え症、膝痛に効果的です。
膝サポーターの効果
膝サポーターは外傷によってこわばった関節や精神的な不安からの異常運動を正常に戻すことができます。ご自分の症状に合った膝サポーターが分からない時はご相談ください。
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