多系統萎縮症の症状について教えてください。

自律神経障害

交感神経と副交感神経のバランスが崩れるため、頭で考えずにできていたカラダの働きができなくなります。

オシッコの障害

多系統萎縮症の中で一番多い症状で、トイレに行く回数が多い（頻尿）、オシッコが漏れる（尿失禁）から始まります。その後、症状が進行するとオシッコが残る（残尿）や、突然オシッコが出せなくなる（尿閉）になることがあります。感染をすると腎盂腎炎になるので注意が必要です。

立ち眩み

夜間トイレに行こうとしたり、椅子から立ち上がろうとしたりすると、気を失うことがあります。症状が進行すると食事中にも気を失うことがあります。起立性低血圧の症状が進行すると、食事中やすわっているだけでも気を失うことがあります。

汗の障害

汗がでなくなったり、急に汗がでたりするようになります。体温調整ができなくなるので、うつ熱（めまい・失神・筋肉のけいれん・脱水症状による吐き気や頭痛）を引き起こすので注意が必要です。

パーキンソン症状

手の震え（振戦）、動作がゆっくり動く（動作緩慢）、後に歩けない（姿勢反射障害）、言葉が小声でかすれる（発声異常）、首を下げたままで類人猿のような歩き方になることが多いです。

振戦

パーキンソン病のような、大きな手の震えはない感じがします。分からないぐらい小刻みに震えることが多いです。指の関節が固まる様になるので注意をしましょう。

動作緩慢・反射障害

関節の動きが歯車状に動くことや、すくみ足がでたり、どんどん歩行が早くなったり、後に歩こうとすると転倒することが多いです。カラダが傾いてしまうことや片膝が曲がってしまうことがあります。

発声障害

声帯の外転麻痺よる嗄声なのか、パーキンソン症状のかすれなのか判断するのが大切です。外転麻痺の場合は誤飲性肺炎をおこすので注意をしましょう。

小脳性運動失調

呂律が回らない（構音障害）、上手く歩けない（歩行不安定）、思ったところに手足を持って行けない（測定障害）があることが多いです。

構音障害（失調性言語・断綴性言語）

らりるれろが言えなくなることが多いです。小脳が原因の構音障害は同じことを続けることが苦手になります。声帯が麻痺している場合は夜に高いいびきをかくことがあります。その場合は無呼吸に注意をしましょう。

歩行不安定

千鳥足のような歩き方になります。後ろ向きに歩いたり、線の上を歩いたりすると著明になることが多いです。筋肉が協調して動けないので転倒に注意をしましょう。